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株式会社敷島ファーム
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ゼロカーボンビーフへの道Ⅶ ~ジャイアントミスカンサスへの期待~

サステナブル

「ゼロカーボンビーフプロジェクト」の一環として2022年6月よりスタートしたジャイアントミスカンサス(GM)の植栽プロジェクトも今年で3年目を迎えました。今年は2024年6月22日に植栽を実施しました。

2022年はGM5000苗とエリアンサス500苗、2023年も2022年と同数を植栽しました。(詳しくは活動報告をご覧ください)2022年は10年以上利用されていなかった農地へ植栽、2023年は砂利採取後の遊休地へ植栽しました。

2024MB-1植栽地(北海道白老町飛生2024.6.22)

2024年はGM3000本(試験圃場2000、自社農園1000)とMB-1(GMの新品種)500本の計3500本を植栽しました。

今年500本植栽したMB-1は、農研機構が開発したGM新しい品種で、少ない株で面積当たりの収量が増えるといわれています。従来のGMは1㎡に1株が基準となっていましたが、MB-1は株間2m4㎡に1株でも収量に影響しないとされています。また、GMは立ち枯れ後すぐに落葉することから、カーボンニュートラル資材としての収量が減少しますが、MB-1は立ち枯れ後も落葉しにくいことから、カーボンニュートラル資材の収量アップにつながります。敷島ファームでは飼料化や敷料化を進めておりますので、収量アップに期待しています。

昨年までは苗を購入していましたが、今年からは自社農園で株分けした苗を植栽しました。今年から自社農園で株分けした苗の販売も本格的に開始するにあたり、十分な量の苗を栽培したつもりでしたが、想像以上に反響があり、自社植栽用に準備した苗も販売にまわすなどにより対応した結果、例年よりも少ない3000本の植栽となりました。


今回は新品種の植栽にあたり、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の北海道農業研究センターから藤森雅博先生にお越しいただき、MB-1の植栽状況や2022年、2023年の植栽状況もご見学いただきました。

2022年に植栽した土地はもともと農地でしたが、2023年に植栽した土地は砂利採取後の遊休地で、土壌は硬く締まりやせた土地でした。白老町をはじめ周辺地域にはこのような土地が多くあります。これらの土地の緑地化と炭素貯留をGMの植栽により実現するプロジェクトを進めおり、その試験としての植栽でした。

ところが、2022年に植栽したものは2024年6月時点で既に2m近くまで育っていますが、2023年に植栽したものは2024年6月時点で1m~1.5mほどと2022年植栽よりも明らかに育ちが悪く懸念していました。その状況を藤森先生に確認いただいたところ、「2022年植栽地はとても良く育っている。2023年植栽地についても2022年と比べると育ちが悪いように見えるが、GMの生育状況としては特に問題無く良く育っている」との評価をいただきました。

GMの生長はまだまだこれからですが、2023年の植栽地についても生育状況が問題無いとの評価をいただいたことは、遊休地・荒廃地の緑地化や炭素貯留、カーボンニュートラル資材生産などによる利活用の推進プロジェクトにとって、とても励まされるものでした。

試験圃場では、GMの植栽後は施肥などせず放置状態としています。遊休地や荒廃地は基本手を付けていない=メンテナンスはしていない・できない土地となります。利活用にあたり、手を掛けることを前提としたものであればおススメできませんので、試験圃場ではあえて手を掛けずに生育状況を見守っています。

手を掛けずとも10年20年と放置するだけで炭素を貯留し続けるGMは、遊休荒廃地を持つ企業・個人の方々へ大きなアピールポイントとなります。GMは地下部で炭素貯留、地上部は刈り取らずにいれば炭素貯留、刈り取ればカーボンニュートラル資材となります。

今年の秋には2022年植栽地について刈り取りを実施する予定です。これから敷料・飼料化に関する検証を白老牧場において開始されます。飼料・敷料は高騰だけではなく、流通減より入手自体が困難となりつつあります。GMは草丈があり面積当たりの収量が増えます。飼料・敷料として利用が可能であればGMの価値は畜産農家にとっても大きいものとなります。

敷島ファームでは、炭素貯留能力・緑地化/土地利活用・飼料敷料化などの視点からジャイアントミスカンサスへの期待をもってジャイアントミスカンサス植栽プロジェクトを推進していきます。