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株式会社敷島ファーム
栃木県那須郡那須町高久丙1796

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ゼロカーボンビーフへの道 Ⅰ 〜早期出荷によるCO2排出量削減〜

ゼロカーボンビーフ

黒毛和牛は一般的に生後30~32か月、場合によってはそれ以上の期間肥育され、枝肉出荷されます。敷島ファームでもかつては生後30か月前後で出荷していました。

肉用牛業界では長年、生産者・購買者ともに肉質が落ちるなどの懸念から早期出荷自体が忌避されていました。そして、長期間肥育することにより肉質が良くなるともされてきました。

ですが黒毛和牛は着実に改良されてきており、必ずしも早期出荷=品質低下につながるとはいえない時代になってきました。

また、畜産農家にとって温室効果ガス(GHG)削減は重要なテーマとなりつつあります。牛のような反芻動物は胃の中にいる微生物の発酵・分解能力によって栄養分を吸収します。その際に発生するメタン(CH4)はゲップとして排出されますが、CH4は二酸化炭素(CO2)の25倍もの温室効果があります。さらに、牛から排出された糞尿はそのままでは非衛生的で環境問題にもなることから、一般的には堆肥化し土壌還元されます。しかしながら、堆肥化=発酵の過程で一酸化二窒素(N2O)が発生します。そしてこのN2OはCO2の300倍もの温室効果があります。このようにGHG削減の観点からも、早期出荷への取り組みがとても重要となります。

そこで敷島ファームでは、品質・重量を落とさずに生後24~25か月で早期出荷により、GHGを削減するプロジェクトをスタートいたしました。

そして2021/2、ゲノミック評価による牛群改良や飼育技術の工夫により、枝肉重量・品質を向上させつつ、生後27.0か月での安定出荷を達成しました。

これは飼育期間比15.6%の削減に相当します。

敷島ファームではGHG排出削減・SDGsを目的とした早期出荷のパイオニアとして、ゲノミック評価による改良・飼育技術による早期出荷・専門機関との共同研究・計測システムによる科学的な視点から検証・排出削減の見える化など、様々な取り組みを進めていきます。