ゼロカーボンビーフへの道Ⅵ ~ジャイアントミスカンサス苗の販売開始~
サステナブル 投稿日:2024年04月24日敷島ファームでは2022年6月より自社試験圃場にてジャイアントミスカンサスの植栽試験を実施しています。養牛にて発生する温室効果ガスの削減(オフセット)・飼料/敷料確保・カーボンニュートラル資材・遊休荒廃地の利活用/緑地化など様々な視点から取り組むプロジェクトになります。
2022年、2023年と各年1ヘクタールの土地に5000本の植栽をおこなっていますが、2024は既存種の植栽に加え、ジャイアントミスカンサスの新品種「MB-1」の北海道における植栽試験を実施します。
トップの写真は2022年6月に植栽したGM試験圃場の様子になります(2024年4月撮影)。昨年は3mほどまでに育ちました。ジャイアントミスカンサスは生長と立ち枯れを繰り返しながら空気中の炭素を吸収・固定していきます。
左の写真は2022年に植栽したジャイアントミスカンサスの根元です。(2023年6月撮影)
初めは1株1本でしたが、2年目には写真のように1株から沢山生えてきました。秋には株の直径も3~40cmほどまで育ちました。
ジャイアントミスカンサスは種ができませんので、株分けにより苗づくりをします。2024年に植栽する苗は2022年に植栽したGMから株分けして、敷島ファームの直営農園で育苗した苗を植栽します。
敷島農園では6月の植栽に向けて育苗をおこなっています。農園では自社農園植栽用や販売用の苗を育てていますが、今年からは新たにジャイアントミスカンサスの育苗を開始しました。
左の写真は株分け後2週間ほど経過したジャイアントミスカンサスの新芽の様子です。これから育苗ポッドに移して育てていきます。
敷島ファームではCO2吸収固定などゼロカーボンビーフの一環や飼料・敷料化など畜産農家としての取組み以外にも、CO2の吸収固定能力の解明や、地域における遊休荒廃地の利活用によるGHG削減貢献や緑地化、カーボンニュートラルなバイオマス資源としての価値など、様々な視点からジャイアントミスカンサスの植栽をおこなっています。
北海道という寒冷地でもしっかり育つジャイアントミスカンサスは、畜産業だけではなく、CO2を多く排出するあらゆる企業や、離農・減反などにより遊休化した農地、立地・土壌不良など様々な要因により荒廃してしまった土地を持つ方々へお勧めします。植栽後は耕起せず20年以上放置するだけで、GHGの固定吸収に貢献することができます。もちろん、地上部を毎年刈り取り、カーボンニュートラルな飼料・敷料やバイオマス資源として利用することも可能です。
ジャイアントミスカンサス苗販売開始
敷島ファームでは2024年からジャイアントミスカンサス(Miscanthus × giganteus / オギススキ)苗の販売を敷島農園(北海道白老町)にて開始します。良質な敷島ファームの牛ふん堆肥とのセット販売もおこないます。
ジャイアントミスカンサスは、遊休農地はもとより荒廃地への植栽においても十分生育することを確認しています。苗は6月中旬から7月の出荷となります。育苗には1カ月半から2カ月かかりますので、ご希望数量や時期にもよりますが原則要予約となります。
苗に関するお問い合わせや圃場見学等につきましては、当HP内のお問い合わせからお願いします。